助け合いの精神

 今日、お昼頃の出来事です。
都心部のオフィス街を歩いていたら、ドンいう音がして振り返ると、横断歩道上に何か落ちている。
いや、よく見ると人が倒れている。トラックの運転手が駆け寄って介抱している。
一瞬戸惑ったが、携帯で110番。交差点だったので信号の上に交差点名が表示されており、警察への説明もすぐにできた。
よく見ると、何人かの人も携帯で電話していた。
また、一瞬考えたが、倒れてる場所に近寄った。

 倒れてる人は女性で、運転手が声をかけているが意識がないままの状態。
場所がT字路の交差点内なので、間違って車が突っ込んでくると危ないので、数人の人と倒れてる人の前に立って、人間バリアになる。倒れている女性は頭部出血しているので、動かせない。
この間、「110番通報はした」、「救急車の手配は終わった」、この事を運転手とまわりの人に伝えただけ。
でも、居合わせた人たちは、自分で出来る事を始めた

・事故現場の少し手前で、年配のビジネスマン風の人が、交通整理を始めた。
・若い女性が、倒れてる人が付けていた社員証を見て、会社へ連絡を始めた。
・警官も・救急車もなかなか来ない。
・とにかく安全を考え、3~4人で人間バリアと交通整理を行う。
・倒れている女性の意識が戻る。
・ようやく自転車で、警官が一人到着。
・近くの人か、女性が大きめのひざ掛けを持って来て、倒れている女性にかける。
・警官が上着を脱いでその上からかける。
・倒れている女性の意識がかなりはっきりしてきた。
・救急車が来ない、この時点で10分経過位。
・警官一人では手が回らないので、交通整理を続ける。
  (この間、凄く長く感じた)
・ようやく、パトカーが2台到着。
・パトカーが、事故現場をブロックする位置に止まったので、交通整理を止める。
・救急車が一向に来ない、運悪く出払っていたのだろうか?
・現場にいた人に警官が連絡先を聞いている。
・ようやく救急車到着。
・倒れている女性の会社の人が2名到着。
・更に警察の車両が到着。
・私を含め、現場にいた人は解散となる。

これが、今日お昼頃の出来事です。
場所は交通の便も良く、オフィス街のど真ん中。警察署も歩いて5分ぐらいの場所にある。
でも、結局最初の5分・10分は、居合わせた人の連携で、その場を収めたのも事実。

 今回は交通事故だったが、いつ来てもおかしくないと言われている東京直下型地震。
その時、けが人は多数で、警察官・救急車はいつ来るか分からない。もしかすると数日~1週間来ないかも知れない。
自衛隊が素早く展開したとしても、被災者の多さ、道路の寸断など救助活動を阻害する要因は多い。
その時、まわりの人、身近な人が助け合わなければ、助かる命も助からなくなってしまう。

 先日行われた東京都知事選挙、たまたま駅前で候補者の演説を聞いていたのだが、大地震の話を熱心にしていた。
その時は、「そうだよね、地震が来たらどうするんだ?」位の事は考えた。
しかし今日、大地震に比べれば、凄く条件が良いにもかかわらず、居合わせた人だけで10分近くその場を収める必要があった。
大地震に置き換えれば、そら恐ろしい状況になる事は間違いない。
皆さんも、一度真剣に大地震が起こった時の事を、もう一度考えて見て下さい。

Updated: 2019年10月27日 — 15:38

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